









爽は黎が殺人犯であることを知った後でも、変わらずに彼を愛し続けることかできるのか?


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ただいまコメントを受けつけておりません。
こんなご相談をいただきました。
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妻は、若いころから白血球数が少なく3000ない状態でした。それでも通常の生活に支障なく過ごしています。
H26は1600、H27は1800、H28は1600と、白血球数が少ない状態で、
今年度、健康診断をした先生も一度、病院で診察するよう言われ、
今年1月に市内総合病院血液内科に受診しました。
そこでは経過観察でしたが、セカンドオピニオンを進められ6日前に、大学病院に行ったところ、その場で骨髄異形成症と診断され、すぐに骨髄移植をするよう言われました。
1月の末梢血管の検査では、白血球分類視算において、Seg13%、Neutro13%、Mo23%、Ly63%、好球数195/ul、リンパ球数953/ulです。ちなみにBlast(芽球)0%でした。
骨髄検査の結果が手元になく詳しくはわかりませんが、大学病院では、骨髄中に芽球が10%あり、好球数が異常に少ないので、直ぐに急性白血病に移行すると言われています。
好球数が異常に少ないのに、何故、妻が感染症にならず元気でいるのか尋ねると奇跡だと言われ、元気なうちに骨髄移植をするべきだとおっしゃっています。
今回の冬は風邪にも引かず、週末は1時間以上ウオーキング、電車通勤により普通に仕事をしています。微熱もありません。去年の12月、口内炎がひどかったみたいですが、甘いものをひかえたせいか、1月からは口内炎にもならずに元気でいます。あと、花粉症であり、近所の耳鼻科で薬を定期的に処方して頂いています。 ほんとうに骨髄異形成症なのか、何故、好中球が異常に少ないのに元気でいられるか、奇跡という言葉ではなく、医学的に解明できるのか、相談したくメールしました。何か意見があれば教えて頂きたいと思います。
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1,「骨髄中に芽球が10%あり、好球数が異常に少ないので、直ぐに急性白血病に移行すると言われています。」のくだりですが……。
この状態で安定しているのか、すぐに数値が変わってしまうのか、しばらく経過をみなければ分かりませんし、骨髄異形成症候群は芽球が20%を超えても、性質はあくまでも骨髄異形成症候群で、突然、急性骨髄性白血病(AML)になるわけではありません。
また骨髄異形成症候群だから病気が軽くって、急性骨髄性白血病だから病気が重くなるというわけでもありません。
ただ、芽球が20%を超えて発見されるとMDSなのかAML区別がつかないのです。しばらく観察しているとすぐに分かります。あるいはその前から観察していると勿論MDSなのかAMLなのかは分かっています。
時々、芽球がまだ20%に満たないAMLがMDSと間違われることも多いです。というか、芽球20%未満のAMLをMDSと思って、急速に白血病化したと言われている場合もありました。勿論、AMLの抗がん剤はよく効きますし、移植の成績もMDSよりはだいぶマシです。
いずれにせよ、「直ぐに」かどうかは不明ですし、骨髄異形成症候群が急性骨髄性白血病になるわけではありません。
2,他の血球が分かりませんので、好中球についてのみ考えてみますね。
好中球が195というこは際どい数字です。一応、東京血液疾患診療所では入院中の患者さん、外来の患者さん問わず、200を下回ると「警戒注意報発令」です。通常は200を下回ったくらいでは入院とはいいませんが、よほど慣れた患者さんでG-CSFで上がることが分かっている患者さんはそれを打って外来受診をつづけます。しかし、慣れてなければ二桁は即入院ですね。50を下回っている場合には、当然入院です。
195という数字の意味はご理解いただけましたか?それ自体はまだ200を少し下回っているだけですので、すぐには感染は起こさなくても、危険性は高くなっていますので、本当に気をつけて頂きたいです。特に生ものは要注意です。ちょっとした薬味やたれなんかも注意して下さい。外出はマスクをつけて。苦しいからといって、鼻を出さないで下さいね。他にも食べかけのものは駄目、食べきりで。細かい注意はこのビデオを見て下さい。今飯塚師長が改訂版を作成中ですが。
いずれにせよ、好中球の減少が続いて、骨髄の状態が良くなくて、G-CSFも使えない、あるいは効かないというような場合は、ビダーザの開始は視野に入れた方がいいでしょうね。
好中球が100を切った場合、体感はありませんが、感染を起こしてしまうとすぐに重篤化します。そしていつ感染を起こすかは全く分かりません。
200前後ですと、「可能性が高い」程度ですが……。
そして一桁の場合、感染を起こしていなければ、「まだ感染を起こしていないけれども、よほど運がよくないかぎり、いずれは……」です。
以前書きましたが、そんな患者さんがSOにいらして、入院日を決めて帰られましたが、その日にいらっしゃいませんでした。大分経ってから、別の患者さんからお亡くなりになったことを聞きました。その方は随分と長いこと好中球が一桁、あるいは0だったこともあるという経過をお持ちでした。SOであれば、その場で入院を強制するわけには行きませんが……、今でもどっちが良かったのか悩んでいます。
その後検査希望でいらした方で好中球38の方は、そのままの入院をおすすめしました。そしてお元気で退院されました。これから通院です。好中球はまだ低値安定ではありますが、コントロールされています。
さらにその後、好中球96で初診でいらした方もすぐに入院されましたが、この方は治療半ばでご家族の反対から(内緒でいらしていて、私たちはその時そのことを知りませんでした)元の病院に戻られて、先日なくなられたそうです。この方は好中球だけが原因ではありませんが……、その後は感染症のコントロールに追われて本体の治療ができなかったようです。
いずれにせよ、好中球の減少はほおっておく訳にはいきません。移植にチョッコーは置いておいて、といあえず好中球を増やす治療をした方がいいかな、と思いますよ~。
3,骨髄移植についてははっきり言ってもう言い飽きたし、書き飽きました。
少なくとも、骨髄異形成症候群の治療において、骨髄移植がBSC(ベスト・サポーティブ・ケア、当時は抗がん剤や支持療法など)に比較して生存率が良いという結果はありません。これは低リスク、高リスクを問いません。ましてや低リスクにおいては、移植のほうが成績は明らかに悪いです!
それと生存率と伴に、私が大きな問題だと思っているのは、「完治」という言葉です。
みなさんは「完治」って、どんな状態を想像していますか??????
元の生活、MDSが判明する前の、生活に戻れるとか想像していますか?????
同じように働けるようになるとか……。
もともと誤診でMDSじゃないとか(結構いると思いますよ、今までのSOの結果からいうと)、低リスクの方とかでしょうね、少しでも社会復帰できる可能性のある方は。但し、生存率は当然のことながら、移植していない人たちの方が高いですよ。当然のことながら、移植してないい人達の方がQOLもいいです。
ということで、もう止めますね~!!
ドクターの話を聞いただけじゃあ分からないものですね。患者さんやご家族の話を聞かないとね。でも、なかなか死人に口無しでね。
一週間前に弟さんを移植で亡くされた方からお電話いただきました。「地獄を見せられた。」とおっしゃっていました。お兄さんがドナーになって、移植して、再発、再移植の際もドナーになられたそうです。「治ると思っていた。」と。23歳だったそうです。
少なくとも「移植=完治」はあやかしの希望です。
何がいいのか分からないですが、あやかしの希望にすがるよりは、確率を信じた方がマシ程度かもしれませんが。